自動車メーカーのダイハツ工業が、2023年4月と5月に行われた車両の安全性衝突試験で不正行為を発表しました。これにより、国内外で販売された64車種において、約10万台に上る不正が明らかになりました。
不正の内容は、試験手順や方法の違反、必要な試験の不実施、試験結果の改ざんなど多岐にわたります。この不正はトヨタ自動車にも大きな影響を及ぼしました。なぜなら、トヨタは多くの車種でダイハツからOEM供給を受けており、不正の対象となった車種の大半がトヨタブランドだったからです。
トヨタの豊田章男会長は、ダイハツの不正発覚後に緊急会見を開き、謝罪と反省の言葉を述べました。ダイハツは不正の原因究明と再発防止策のために第三者委員会を設置し、報告書では法令順守の欠如や経営の不備、開発現場の負荷とプレッシャーが不正の背景にあると指摘されました。
ダイハツは、第三者委員会の提言を受け、組織体制や業務プロセス、人事制度、教育・研修などを見直し、再発を防ぐための改革に着手しています。
このような不正は自動車業界全体に衝撃を与えました。車の安全性は重大な問題であり、社会的に許されるものではありません。ダイハツはお客様やステークホルダーの信頼を回復し、真摯な対応と正しいクルマづくりを目指すため、積極的な改革に取り組むことが求められます。
